図1-幅ひろいFPの6科目の共通分野が税金
 

前書き

既に「ライフプラニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」の3科目の過去問を学んできましたが、そのいづれにも「税金」は出てきていました。残り2科目の「不動産」「相続・事業承継」でも沢山出てきます。そうなんです、税金は6分野共通の科目なんです。
元々「タックスプラニング」とは、法人が将来発生する法人税、消費税などの税金について予定を立てる事を意味していたのですが、いまでは個人についても資産設計を考えるうえで必要な事との考えから取り入れられたのです。
脱税は許されませんが節税は全然問題なくこれこそFP理念の根幹をなすものだと考えます。税についての正しい知識を身に付けて無理無駄のない生活設計を目指しましょう

図2-京都市右京区税務署

税理士と税務署

皆さんは「ダブルライセンス」という言葉を聞いたことがおありですか? FPは6つの分野に精通した立派な仕業ですが、担当範囲が広い分、個々の知識は必ずしも深いとは言えません。そこで専門的な知識を必要とする場合はその道の専門家の仕業の方と連携して問題解決に当たっています。他の仕業とは社会保険労務士,保険仲介士,証券業仲介業者,税理士,宅地建物取引士,弁護士等々です。FP以外に他の資格も持つことを「ダブルライセンス」と言っています

FPの場合、数ある仕業のうち税理士という資格が親和性が強そうですね。税理士資格を持ったFPに相談者が多いのが現状です。特に資格を取るまででなくても税務に詳しいことはとてもFPに有利な事です。個人のお客様のみならず法人の方もいらっしゃいますので法人税もこの機会に学びましょう

もう一つ大切な事は、税金については法律がよく変更になります。常に最新の法律の理解が不可欠なので、その際はお近くの税務署に問い合わせてください。税務署は懇切丁寧に教えてくれます。ここで重要なのは税務署の方に適切な用語を使って質問できる知識を持っているという事です。税務署は専門用語を使って説明してくれます。2級技能士レベルの知識を持ち合わせていれば、スムーズな会話が可能と思います。では過去問を見ていきましょう。

過去7回分の出題リスト

タックスプラニングは,「所得税」「法人税」「消費税」の3分野から出題されています。概ね「所得税」が60%で6問、法人税が30%で3問、消費税が10%で1問です。

所得税は、所得税額算出課程に沿って出題されています。①所得税の仕組み等の制度の問題⇒②各種所得金額の計算⇒➂損益通算を含む所得総額の計算⇒④所得控除の問題⇒⑤税額控除(住宅ローン控除)の問題⇒⑤青色申告を含む申告手続きの問題。これだけ整然と出題されている科目も目づらしいですね。

法人税は、「法人税の仕組み」「法人税の損金/交際費の問題」「会社と役員間の取引」「決算書の問題」の4つのテーマから3つ出題されています
消費税は、法人関連問題に挟まれるような形で出題されています。

テキストと出題問題の関係

資料1の出題問題をテキストに落とし込んでみましょう

所得税については、1章の所得税の基本が9問と多い代わりの6章の申告と納付が5問と少なくなっています。それ以外は各章7問づつで毎回1問づつ出題されています。比較的勉強しやすい構成です。7章の個人住民税・個人事業税の出題はありません(個人事業税については、実技問題で出されています)

法人税と消費税については3級になかった問題で、所得税に比べるとだいぶ難しく骨の折れる問題かもしれませんが、講師が懇切丁寧に説明しますのでご安心ください

テキストと出題問題との比較

所得税については、問題のタイトルこそ違いますが内容は同じです。最初に仕組みの問題が過去7回の内9問出題されていますが,いづれも常識的な問題です。その後は「所得税算出の4課程」を順番にこなしていく問題で、毎回各課程1問づつ出題されています。最後の「確定申告の申請」は毎回ではありませんが、7回中5回でこれも定番問題といえるでしょう。全体的に3級の総復習といった程度です

一方この科目ではニューフェイスが登場します。法人関連と消費税です。事業をやっていない方にとってはやや難しかもしれませんが、所得税の事業所得に置き換えて考えると多少イメージがつくでしょうか。過去問を沢山こなす中からイメージを作り上げていってください。

難易度とその対処法

所得税は易しいのでここで大きく点を稼ぎ、後の法人税や消費税の問題に備えてください。トータルとして8点位を目指しましょう。

法人の問題は、この科目で沢山出題されていますが、他の科目でも出ています。ライフでの「中小法人の財務諸表問題」、リスク管理の「保険利用と経理処理」。相続の「事業承継の問題」です。これらは共に共通しますので横断的学習を通じてレベルアップを図りましょう。