合格へのアドバイス、2級受験勉強中の方へ(実技対策2)

後半の問題

第1問の「FPの基礎」を含む残りの問題は、ライフを中心とした「相談業務」の問題です。毎回出題される超定番問題と半分位の確率で出題される準定番問題が多いのが特徴です。又、ライフに関する問題が中心ですが、そのほかの科目の問題も含まれているのも特徴です。

この「相談業務」も前段と後段に分かれます。前段は第1問,第7問,第8問の「FPの心構えや技法に関する問題」で、後段は第9問,第10問の「設例問題」(相談業務のシュミレーション問題です)。前段をPart1,後段をPart2とします。

では、それぞれテキストの記載内容に照らし合わせて説明していきます。

図α-FPと関連法規(テキストp3)クリックすると拡大します

Part1:FPの基礎(5種類, 7.5問)

➀問1:FPと関連法規(超定番)

FPというのは仕業ではありますが、独占業務を持っていませんので業務遂行時は法律に抵触しないよう留意する必要があります。頻繁に出題されるのは「税理士法」「弁護士法」「金融商品取引法」「保険業法」でしょうか。毎回出題の超定番問題です。

図1-FPと6ステップ(テキストp6)クリックで拡大します

②問2:FPと6ステップ(準定番)

FPは顧客との間でいきなり相談に入るのでなく、相談を受けるについてはそれなりの手順があります。❶先ずは顧客に御来訪の目的を軽くお伺いし、そののちFPの方から所謂料金等の説明をします。双方が納得すれば次に顧客の話をじっくり聞くことになります。初回は顧客との信頼関係構築だけで終わってしまう場合もありますが、次回のアポを取ると同時に次回持参してもらう書類等をお願いします。❷2回目の話はかなり細かい情報のやり取りをし顧客の目標を明確化します。❸一方FPは収集した情報を基にライフイベント表・キャッシュフロー表・バランスシートを作成し、現状の問題点を分析します。❹3回目に分析結果を説明し、問題点を解決するための対策とプランを提案します。❺顧客の理解を得られたら、顧客がプランを実行しやすくなるように色々と支援します。そして、❻その後も必要に応じて定期的にプランの見直しをおこないます。(回数は目安で、事例はサンプルです。)

実技試験で問われるポイントはこの6つの順序です。出題頻度は準定番です

図2-ライフイベント表(テキストp7)クリックで拡大します

ライフイベント表の作成

家族構成を聞きライフイベント表を作成できれば、子供の教育費やサラリーマンなら定年まであと何年とか大まかな収入と支出が計算できます。但し当然のことながらこれだけでは不十分で、顧客の希望が大切になってきます。子供は中学から私学とか、車は定期的に乗り換えるとか海外旅行は年に一度は行きたいとか、その人の生き方が重要になってきます。相談業務の中心は顧客なので顧客の夢の実現が最優先なのです。FPの価値観は二の次で、どんな生活であろうと金銭的に問題がなければ顧客の思い通りの生活を支援すればいいのです。金銭的な問題が発生しそうな時に、問題点を抽出し提案を行うのがFPの仕事です。実技試験での直接の出題はありませんが、FPが生活設計を作成する上での重要なテーマの1つである事を覚えておくことでしょうか。

図3-キャッシュフロー表(テキストp8)クリックで拡大します

➂問23・問24:キャッシュフロー表(略はCF)の作成(超定番)

毎年の収入と支出を予測し、年間収支を割り出し預金残高を加える。それに変動率を加味しながら数十年分のお金の動きを表にしたのがキャッシュフロー表であり、この辺りからFPの知力の発揮どころであり、ライフプランの面白みのあるところです。資料では10年分だけしか作られていないのですが実際は少なくとも定年前後の20年間は作る必要があります。定年段階で十分な老後資金が確保できているかどうかは重要な問題であります。

受験対策としては、必ず毎回2問出題される超定番の問題ですので十分な準備が必要です。キャッシュフロー表に( )が2つあり( )内の数字を計算させる問題です。1つは給与額とか基本生活費の計算で、もう1つはほとんど金融資産残高の計算です。電卓の自乗の計算の仕方を忘れないようにしてください。



 

図4-バランスシート(テキストp10)クリックで拡大します

④問35:バランスシート分析(超定番)

プラスの財産が多くあってもマイナスの財産がそれに負けず劣らず多くあれば何にもなりません。マイナスの財産とは、借金・ローン等の負債の事です。資金計画を考える上での基本ですので覚えておいてください。第10問で必ず出題される超定番問題です。
 

図5-6つの係数(テキストp11)クリックで拡大します

⑤問26~問28/3問:6つの係数の問題(超々定番問題!)

預貯金の残高を計算するときなど、2~3年後の計算ならその都度電卓を叩けば簡単に答えが得られますが、10年20年と長い期間のお金の計算はその都度計算するのは大変ですよね。そのため予め状況に応じて使えるように用意された係数があります。これが「6つの係数」と呼ばれるものです。「終価係数」「現価係数」「年金終価係数」「減債基金係数」「資本回収係数」「年金現価係数」がそれにあたります。ここでは内容の説明は省略しますが、FP協会の実技問題の中では最も頻度の高い問題です。覚え方のコツをお教えしますので得点源にしてください。毎回3問出題される超定番の問題です