前書き

私の所属する「京都相続診断士会」について、ご参考までに一言触れておこうと思います。
相続というのは、6科目中の最後の科目となりますが、実際の相続のケースでは、保険・不動産・税金の知識を必要とするケースが多いですし、時には金融資産設計やライフプラニングの資産設計も関係する事もある「総合問題」です。

小川実代表理事(税理士)

相続診断協会

相続診断協会は、税理士の小川実氏が代表理事を務める一般社団法人で、協会の目的は、日本から「争族」をなくし、「笑顔相続」を広めるためには、生前に想いを残し伝えることが大切であると考え、その有効な方法としてエンデイングノートの作成を推奨しておられます。相続診断士の役割は、相談者に寄り添い、想いを聞き、問題点を明確にすること。節税対策や遺産分割対策・遺言書の作成などは、税理士・弁護士・司法書士・行政書士などの仕業と連携して、最適な解決案を提供する。相続診断協会は、相続診断士とともに「想いを残す文化を創る」という理念の下に活動を続けておられます。

この会社の設立の背景とその後の会社の歩みを見ていきたいと思います。
設立の背景は、2013年に相続税法が改正され、2015年1月1日から施行されたことです。改正の内容は「相続税の基礎控除額」がそれまでの「5000万円+1000万円X法定相続人数」だったのが、4割減額されて「3000万円+600万円X法定相続人」になったことです。具体的に数字をいれて話をしますと、4人家族の方がいてそのご主人様がなくなると、5000万円+1000万円X3人=8000万円までの財産には相続税がかからなかったのですが、新しい法律では、3000万円+600万円X3人=4800万円以上の財産をお持ちの方には相続税がかかるようになったのです。それまでは全国で4%の人が税金を払えばよかったのでですが、改正後は8%に跳ね上がりました。

法改正の数年前の2011年ころから「相続ビジネス」の波が起こり始めたのです。相続問題が2015年以降増えると見込んで日本社会は沢山の相続関係の団体が立ち上げられました。日本相続協会のそのうちの1つだったと思います。そのサバイバルレースを勝ち残ったのが日本診断協会で、その源は小川代表理事の崇高な理念と並外れた行動力だったと思います。会社設立以降「相続診断士」の合格人数は一本調子で伸び続け、2015年1月1日の新税制施行日は15,000人に達し、その後も順調に伸び続け2015年7月に2万人、2020年4月に4万人に達している。(2020年4月24日協会発表のデータ)

この9年の間に4万人もの会員が増えたのは、ひとえに代表理事の小川実氏のご尽力の他ならないと思います。年中全国津々浦々を駆け巡り「相続診断士養成コース」を開催し、やがて小川氏の教えを受けた相続診断士が各地区で「相続診断士会」を立ち上げ地元で笑顔相続を実践している。小川氏は各地区の「相続診断士会」の発足会にも出席し激励しておられる。私も2回ほど小川氏と話す機会がありましたが、1回は養成コースで、もう1回は懇親会での席上でした。比較的小柄な体型ですが、気さくな性格でお酒の席上でも診断士育成を熱く語っておられました。この稀有なリーダーの下この会は益々発展していくであろうと確信しました。

この会の価値は全国の相続診断士が共著で発行しておられる書籍をご覧になれば、簡単にご理解いただけると思いますので3冊ほどの本の写真を掲載いたします。

相続診断士合格者推移(2012年1月~2015年7月)

通常の例会後の集合写真

京都相続診断士会

「京都相続診断士会」は、京都在住・在勤の相続診断士が自発的に相互研鑽の為に設立された任意団体で、日本FP協会のように本部と支部という関係ではございません。設立は2017年8月で、毎月一回例会を開き、2020年4月から6月まではコロナの為休会となっていましたが、7月に28回目の例会を開催しました。設立後約3年になりますが、会員が徐々に増えてきています。

日本FP協会京都支部傘下のSG例会と比べれば、こちらの団体の性格がわかります。SG例会は純粋の勉強会であるのに比べ、こちらの団体は相続に特化した団体であるのみならず「相続」を自らの仕事の一部とする職業人の方の団体で、毎回熱いものがあります。参加者は例会で何かを掴もうと真剣でパワフルな雰囲気を感じさせられます。会員数は約50名位かと思いますが毎回20~30名の方が参加しておられます。(私も設立初年度は皆勤だったのですが、昨年あたりから自分の講義の関係上やや出席率が落ちています。)

メンバーの中には、弁護士・税理士・司法書士・行政書士の各士業の方も沢山おられて、いつ相続調停依頼が来ても対応できるようになっています。会の活動は例会とかの内なる活動も活発ですが、実社会への「笑顔相続」の啓蒙運動や講演活動にも力を入れておられます。

2020年7月2日に実施された例会後の集合写真(3密を避けるため着席のままの撮影)